南カリフォルニアからこんにちは!オンライン英語コーチのしおはまなおこです。
今回は、私が心から感動した児童書『ワンダー 君は太陽』に登場する先生がまとめた格言集から、あなたの心に刺さる英語の名言をご紹介します。
アメリカ在住歴15年の私が、落ち込んだときに思い出す名言を選びました。シンプルで力強い表現なので、あなたの気持ちもきっと前向きになるはず!
短くてすぐ使える英語の名言 1〜10
1:ビートルズの歌の歌詞
「愛さえあればいい」という意味です。歌のメロディーといっしょに口ずさんでくださいね〜♪
ビートルズの歌で英語を覚えた人は、決して少なくないでしょう。私も、音楽の教科書に「イエスタデイ」が載っていたのを覚えています。
夫がビートルマニア(熱狂的なビートルズファン)なので、気づかぬうちに私もすっかりビートルズの曲が頭にこびりついています。
2:歌手ケイティー・ペリーの言葉
nurture という動詞は、あまり馴染みがないかもしれません。「育てる」という意味の言葉です。
英語には “nature or nurture” という表現があり、「生まれか育ちか」「氏か育ちか」という意味で使います。
日本語には「蛙の子は蛙」という慣用句がありますね。その英語表現は洋書「ワンダー」に出てきます。
the apple doesn’t fall far from the tree
蛙の子は蛙ね
洋書「ワンダー」
直訳すると「りんごは遠いところに落ちない」、つまり「子は親に似る」=「蛙の子は蛙」というわけです。
3:歌手テイラー・スウィフトの言葉
他の人と違うことで目立つのはイヤだ、と考える人も多いでしょう。でも、その「違い」を「ユニークさ」と考えられると強みになりますね。
“ever”というのは、しゃべり言葉で本当によく使う強調の副詞です。
4:日本のことわざ
日本の「七転び八起き」は知っているけど、英語ではこう言えばいいんだ!と驚きました。なんと簡単でシンプルなこと!
日本人は英語を難しく考えすぎなのかもしれません。洋書を読んでいると、日本の慣用句やことわざが、いとも簡単でシンプルな英語で表現できることに驚くことがあります。
5:アイルランドの作家オスカー・ワイルドの言葉
オスカー・ワイルドは、アイルランドの詩人・作家・劇作家。
他の人をうらやんだり、別の誰かになりたいと思っても、自分は自分でしかありません。確かにそうだな、と思わせてくれる言葉です。
6:中国の思想家・荘子の言葉
荘子は中国戦国時代の宋の蒙に生まれた思想家で、道教始祖の一人とされています。
人間は「ないもの」を求めてしまうもの。でも、すでに自分の中にたくさん持っていることに気づきましょう。
英語についても同じことがいえます。「語彙が足りない」「発音がうまくない」「聞き取れない」と、自分にないものばかりを考えていると、自分がダメに思えますよね。
でも中学から学び始めた英語、意外と基本的なことは覚えているもの。bookは「本」、morningは「朝」。そんなちょっとした単語でも、意味がわかる自分をホメてあげることも大切です。
そう、あなたはすでに持っているのです!
7:アメリカの大人気司会者オプラ・ウィンフリーの言葉
非常に影響力を持つテレビ司会者の1人として知られているオプラ・ウィンフリー。紹介した本は必ず大ヒットするし、「タイム」誌が世界で最も影響力のある人物の1人として彼女を取り上げています。
黒人女性として桁違いの成功を収めているオプラですが、幼いころに性的虐待をうけたり、さまざまな苦難を乗り越えています。だからこそ、心に傷を負った人の気持ちがわかるんですよね。
8:ヘレン・ケラーの言葉
見えない、話せない、聞こえない、という三重苦を背負ったヘレン・ケラーの言葉は、いつも深い含蓄を含んでいると私は感じます。
この文章のすべての名詞に冠詞がついていないことに気づきましたか?
knowledge(知識), love(愛情), light(光、明かり), vision(未来)の4つの名詞。ここでは数えられない概念の名詞として使われています。目に見える確固とした形がないものだからです。
知識、愛、光、未来、という概念は、人によって捉え方が違います。ボワ〜っとしたイメージです。数えられない名詞は、この4つのようにボワ〜っとしていて境界線がなく、冠詞がつかない、と考えてみてくださいね。
三重苦のヘレンに、効果的で厳しくも人間的な教育を授けたアン・サリヴァンの偉業が描かれた映画が、「奇跡の人」(原題:Miracle Worker)。1962年の作品です。
9:コメディ俳優、ミルトン・バールの言葉
ミルトン・バールはアメリカのコメディ俳優です。チャールズ・チャップリンやシャーリー・テンプルなどの名だたる俳優たちとの共演を果たしながらキャリアをスタート。テレビでの活躍ぶりから「ミスター・テレビジョン」という異名を持つほどの人気でした。
チャンスがやってくるのをただ待っているのではなく、みずからつかみに行く。そんな勇気を与えてくれる言葉です。
10:ローマ帝国皇帝マルクス・アウレリウスの言葉
古代ローマの皇帝、マルクス・アウレリウスの言葉です。
この言葉には、次の文章が続きます。
It’s all within yourself in your way of thinking.
すべてはあなたの考え方次第なのだ。
「自省録」
「自省録(Meditation)」が出てくる素晴らしい映画
私が大好きな映画「ホールドオーバーズ〜ひとりぼっちのクリスマス〜」の主人公は、生徒にも同僚にも嫌われている気難しい堅物教師(演じるのはポール・ジアマッティ)。そんな彼がこよなく愛している本が、このMeditation(邦題「自省録」)です。だれかにプレゼントするならこの本、と決めていて、段ボールいっぱいにこの本が詰め込まれています。
不器用で、人付き合いが下手。でも心優しい彼の思いやりに、涙が止まらない映画でした。
↓8分のライブ動画で「ホールドオーバーズ」のよさを語っています↓
シンプルで力強い英語の名言 11〜20
心に刺さる英語の名言は、まだまだ続きます。
どれもシンプルで力強い名言ばかり。ぜひ読み進めてくださいね♪
11:作家エイミー・タンの言葉
エイミ・タンは「ジョイ・ラック・クラブ」を書いた作家です。この小説は映画化もされました。
20世紀初頭のサンフランシスコを舞台に、中国から移住して苦難の人生を生きてきた4人の女性と、アメリカ人として生まれ育った彼女たちの4人の娘たちの世代間の相違と心の絆を描いた感動作。1993年にオリバー・ストーン製作総指揮のもと映画化されました。
12:不屈の闘士ネルソン・マンデラの言葉
ネルソン・マンデラは、27年間の獄中生活を含む長きにわたって反アパルトヘイト運動の闘士として戦った人です。釈放後はアフリカ民族会議(ANC)議長,更には南アフリカ共和国大統領として全民族融合の実現に力を尽くしました。
1995年にラグビー・ワールドカップが南アフリカで開催されました。マンデラ大統領は、ほとんどが白人で占められている自国チーム,スプリングボクスを全面的に支援。スプリングボクスは最強と云われたニュージーランドチームを破り優勝します。この逸話は「Invictus(負けざる人々)」(2009年製作,クリント・イーストウッド監督)というタイトルで映画化されました。
13:ダライ・ラマの言葉
チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世。『非暴力の闘い』で平和を訴え続け、1989年にノーベル平和賞を受賞しました。今でも、世界平和のために多くの国で外交活動をしています。
14:中国のことわざ
これは「千里の道も一歩から」という意味ですね。大きなこと、偉業を成し遂げる人は、小さなことから始めてそれを続ける人である、という意味だと私は解釈しています。
あるいは「どんな偉業も、一気に成し遂げられたわけではない」とも捉えられます。
名言・格言のいいところは、読む人が自由に受け止められるところ。1つの型にはめずに考えるのは楽しいものです。
小さな習慣を積み上げよう
私は毎朝、洋書のオーディオブックを聴きます。たいてい2つか3つは聴きとれない言葉があって、それは私にとって未知の言葉。その言葉の意味を【天才英単語】で調べるのが、自分の成長を確認するうれしい作業です。「今日も◯個の新しい言葉を覚えたぞ!」と自分をほめています(笑)。
死ぬまで成長を続ける。それが私の目標です!
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15:イギリス作家 C.S.ルイスの言葉
C.S.ルイスは『ナルニア国物語』で有名なイギリスの作家です。もしあなたが人生の折り返し地点を過ぎていたら(私もそうです)、とても励まされる言葉ですよね。
年を言い訳にせず、成長を続けよう!
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16:童話作家イソップの言葉
「イソップ物語」で有名なイソップ(紀元前619年~紀元前564年頃)は、古代ギリシャの寓話作家です。”kindness”を「親切」とも訳せますが、私はどちらかというと「思いやり」という日本語を当てたいです。
というのも、洋書「ワンダー」のあとに読んだ中村天風・安岡正篤に学ぶ成功の法則」という本に、次のような文章を見つけたからです。
「相手の身になって物事を見る、他の人の身になって考えてみる」という複眼的思考は、エンパシー(共感力)といいます。
日本人同士でも価値観や考え方が違う人はたくさんいます。日本を飛び出したら、違うことだらけです!あなたが「英語を使って広い世界を見てみたい」と考えているなら、エンパシーを鍛えておくと絶対に役にたちます。
17:思想家パスカルの言葉
ブレーズ・パスカル(1623~1622)は、フランスの数学者、物理学者、発明家、思想家、そして作家でもありました。世界で最初の計算機を発明し、物理学方面などでたくさんの功績を残しています。
自分が苦しんでいるとき、誰かに励ましや慰めの言葉をかけられて気持ちが少し明るくなった経験はありませんか?ちょっとした思いやりの言葉は、多くのことを成し遂げます。
18:ダライ・ラマの言葉
思いやりを信条にして生きる。言うは易く、行うは難し、ですよね。
人生に向き合うとき、シンプルなのが一番だ!と私も思います。
19:読み人不明
自分がしてもらった親切は、ずっと心に残るもの。ブーメランのように、または連鎖反応のように続いていくものだ、と私も思います。
「詠み人知らず」は英語で”unknown”ということ、この本で知りました!
「ワンダー 君は太陽」の中で、オーガストが通う中学校の校長先生が、卒業式のスピーチで言うんです。
If every single person in this room made it a rule that wherever you are, whenever you can, you will try to act a little kinder than is necessary—the world really would be a better place.
今ここにいる全員が、いつでもどこでもプラスアルファの思いやりを持って行動すれば、世界は本当によりよい場所になるでしょう。
洋書”Wonder”
「ワンダー 君は太陽」には、心をジワーっと温かくする言葉がたっぷり詰まっています。
20:イギリスの著述家トーマス・ブラウンの言葉
「自分には◯◯がない」と感じてしまうことって、よくありますよね。
6番目の荘子の言葉で、英語に関して「ないもの」ばかりを求めてしまう、と言ったのも、私自身がまさにそうだったからです。英語ができるようになりたいがために、いくら勉強しても満足できない状態が続きました。
2009年の移住前の自分に、このトーマス・ブラウンの言葉をかけてあげたいです。
サー・トーマス・ブラウンは、17世紀イギリスの著作家。医学、宗教、科学、秘教など様々な知識に基づいた著作で知られています。彼は独自の文章の技巧で知られていて、作品に古典や聖書の引用が散りばめられているとか。私はまだ彼の著作を読んだことがないのですが、近いうちに読んでみたいと思っています。
リアルな英語は、娘の子育てを通じて読んだ物語が教科書だった
私は、リアルな英語を娘二人の子育てを通じて学びました。
なぜなら、元々私は40才の目前まで日本暮らしでしたし、アメリカの子どもたちがどんな本を読んで育つのか、まったく知るよしもなかったからです。
2009年に南カリフォルニアのサンディエゴに移住したとき、長女は5歳、次女は1歳。長女はすぐにキンダーガーデン(幼稚園の年長にあたる)に入りました。
現地校では「本を読みなさい!」と強く勧められます。宿題はほとんどないに等しいけれども、とにかく毎日20分は本を読みなさい、と言われます。
英語ゼロで現地校に入った長女のために、まずは絵本からスタート。学校にある図書館だけでなく、地元の図書館にもしょっちゅう通いました。
5年生ですすめられた「ワンダー」が素晴らしかった!
最初のうちは私が寝る前に読みきかせをしましたが、だんだん自分で読むようになりました。長女が5年生のとき、先生から勧められた1冊が「ワンダー(Wonder)」です。
この本は、長女よりも私のほうが夢中になってしまったんですよ。ジュリア・ロバーツ主演で映画化もされました。和訳本も出ています。
遺伝子の疾患で人とは異なる顔で生まれてきた10才の男の子オーガストの話。
学校へ行かずにずっと自宅学習を続けてきましたが、両親は息子を外の世界へ送り出そうと決めます。初めての学校生活では、いじめや裏切りなどさまざまな困難にであいます。くじけそうになりながらもオーガストは家族の愛に支えられて立ち向かっていく、という感動のストーリー。
毎月1つ、格言について考えさせるブラウン先生の授業
オーガストの英語を担当するブラウン先生は、毎月1つの格言(precept)を提示して、生徒たちにその格言についての意見を書かせます。
このprecept(格言)という単語、私は「ワンダー」で初めて知りました。物語に出てくると、脳にしみこんで忘れないんですよね。
学校が始まって最初の授業では、9月の格言が黒板に書いてありました(アメリカの学校は9月から始まります)。
When given the choice between being right or being kind, choose kind.
正しくあること、親切であることのどちらかを選ぶとしたら、親切であることを選びなさい。
この格言が、この物語全体のテーマになっています。簡単なようで決して簡単ではない「親切」であるということ。「思いやりを持つ」ということについて考えさせられる、素晴らしいストーリーなのです。
「 365日のワンダー ブラウン先生の格言ノート(365 Days of Wonder: Mr. Browne’s Precepts)」は、「ワンダー」の番外編(別冊)として出ました。日めくりカレンダーではありませんが、1年を通じて毎日1つ(合計365個)の格言が読める形になっています。
『ワンダー』『もうひとつのワンダー』のブラウン先生が書いた「格言帳」。1日1つ、365の格言を掲載。『ワンダー』後日談も。全世界でシリーズ累計1200万部を誇る人気作、『ワンダー』と『もうひとつのワンダー』に出てくるブラウン先生が書いた「格言帳」。「正しいことをするか、親切なことをするか、どちらかを選ぶときには、親切を選べ」をはじめとして、1日に1つ、365個の格言を掲載。ブラウン先生と生徒のやりとり、後日談も載っています。
ブラウン先生がなぜ授業で格言を使っているか、さらには「ワンダー」では謎のままだった秘密が明かされたりするんです(ネタバレになるので言いませんが)。
今回ご紹介した20の名言は、すべてこの本から選びました。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「 365日のワンダー ブラウン先生の格言ノート(365 Days of Wonder: Mr. Browne’s Precepts)」という本から、心に刺さる短い英語の名言を20個、ご紹介しました。
あなたの心に刺さる言葉はありましたか?
興味があったらぜひ洋書「ワンダー」を読んでみてください。洋書が苦手、という方は、まず映画を見て、和訳本を読んでみてほしいですね。それから洋書を読み始めると、思った以上にスラスラ読み進められます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
Happy learning!