週末に何か面白い作品をサクッと観たいときってありますよね。そんなときにピッタリのTVミニシリーズをご紹介します。
ミニシリーズとは、1シーズンで、8話ぐらいで終わるシリーズです。短いとはいえ、深く心に残っているシリーズを7つ選びました。
クイーンズ・ギャンビット(原題:The Queen’s Gambit):全7話
舞台は1960年代のアメリカ。ソ連との冷戦時代です。お母さんが死んでしまって孤児院に送られた8才の少女ベス。孤児院の用務員シャイベルさんに教わったのがきっかけでチェスに魅せられていきます。子どものいない夫婦にひきとられ、薬物依存症に苦しみながらも天才チェスプレイヤーとして活躍する物語。
孤児として育ち、ほぼ男性だけの世界だったチェス界で旋風を巻き起こしたベスを演じるのは目に力がある女優アニヤ・テイラー=ジョイ。やれ天才少女だ、チェス界の新星だ、ともてはやされながらも、常にひんやりした孤独を胸に抱えているベスを見事に体現しています。
60年代のファッションやインテリアも、目を楽しませてくれますよ!
原作者の本業は英文学の先生!
これは原作があります。著者はWalter Tevis、本業は英文学の先生で、長く副業として作家活動をしていたんですって。副業作家なだけに作品数は少ないですが、7冊出した本のうち3作品が映画化され(ポール・ニューマン主演の「ハスラー」、ポール・ニューマンとトム・クルーズ共演の「ハスラー2」、「地球に落ちてきた男」)、1作品がこのドラマ。すごいですよね!
「リトルファイヤー ~彼女たちの秘密~」(原題:Little Fires Everywhere):全8話
ベストセラー小説のドラマ化。オハイオ州の裕福なリチャードソン一家が貸している家に、シングルマザーとその娘が引越してきたことから始まるドラマです。リチャードソン家の母親イリーナと、シングルマザーのミアの女の戦いは鳥肌モノ!
イリーナ役のリース・ウィザースプーンは、お金持ちで鼻持ちならないタカビーな母親役がぴったりハマっています。最近は女優業以外に、映画のプロデューサーとしても活躍しています。彼女がプロデュースした2022年の「ザリガニの鳴くところ」はすばらしい映画でした。
対するシングルマザー役のケリー・ワシントンの演技も圧巻。彼女の自伝Thicker Than Waterも面白かったですよ。
「オリーブ・キタリッジの生活」(原題:Olive Kitteridge):全4話
短いけど、ズシンと心に残るミニシリーズ。エリザベス・ストラウトによるピュリッツァー賞受賞の連作短篇集から4篇を映像化しています。
メイン州の海辺の田舎町を舞台に、中学で数学を教えているオリーブと薬局を営む夫のヘンリー、彼らの息子、そして町の人々を描いています。
オリーブを演じるのは「ノマドランド」でアカデミー主演女優賞を受賞したフランシス・マクドーマンド。彼女の夫ヘンリーを演じるのは、味のある名優リチャード・ジェンキンス。「マーベラス・ミセス・メイゼル」の主演女優、レイチェル・ブロスナンがちょい役で出ていたのがうれしかった!
「デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃」(原題:Daisy Jones and the Six):全10話
1970年代、世界の頂点に立っていたロックバンド「デイジー・ジョーンズとシックス」は人気絶頂のときに突然解散を発表。それから数十年たった現在、バンドメンバーがそれぞれ解散の真相を明かす、という物語。これもベストセラー小説の映画化です。
エルビス・プレスリーの孫娘、ライリー・キーオがデイジー役。演技も歌唱力もすばらしいです!イギリス俳優のサム・クラフリンは、「ハンガー・ゲーム」「世界一キライなあなたに」で有名ですが、彼も本当に歌っています。
「バッド・シスターズ」(原題:Bad Sisters):全10話
静かなアイルランドの田舎町を舞台にした、ブラック・コメディ。
ジョン・ポールという男性が亡くなったという場面からドラマは始まります。ジョンの妻グレースは悲しみに沈みつつ、一人娘とともに葬儀の日を迎えます。しかし、グレースの姉妹である他の4人はどこかそわそわして落ち着かない様子。この悲しい日も神妙に互いの顔を見合わせ、言葉を抑え込んでいます。このガーベイ姉妹は秘密を抱えていました。
一方、ジョンの生命保険会社は高額の保険料を支払いたくないために、このジョンの死に不正があってほしいとワラにもすがる思いで調査を開始する…というストーリー。
アイルランドの静かな田舎町、という設定がいいんですよ。高い建物がなくて、海があって、緑が豊かで、のどか。でも4人の姉妹はグレースの夫ジョン・ポールを殺してやりたい!という理由がそれぞれあったのです。かなりブラックな内容ですが、最後まで目が離せないドラマです。
「瞳の奥に」(原題:Behind Her Eyes):全6話
ベストセラー小説のドラマ化。舞台はロンドン。離婚して7歳の息子を育てるシングルマザーのルイーズは、上司である精神科医デビッドと関係を持ちます。デビッドの妻アデルとも親しくなるうちに、ルイーズは危うい三角関係にハマっていく…という心理サスペンス。
最後のどんでん返しに、思わずのけぞりました!
アデルを演じるのは「バッド・シスターズ」にも出ているボノの娘イブ・ヒューソン(ポスターの一番右)。いい女優です。
ストーリーのカギを握る人が「ゲーム・オブ・スローンズ」で、ネッド・スタークの若き日を演じた俳優でした!「ゲーム・オブ・スローンズ」に出ていた人を見つけると興奮してしまう私です。
「ジ・エディ」 (原題:The Eddy):全8話
映画「ラ・ラ・ランド」の監督デミアン・チャゼルが製作監督のミニシリーズ。
かつてニューヨークで名の知れたミュージシャンだったエリオット・ウドー。現在はフランスで友人のファリドと共にジャズクラブ「ジ・エディ」を経営しています。
ある日、エリオットがクラブで1人でいる時に男たちが現れ、突然暴力をふるわれます。どうやら共同経営者のファリドがトラブルに巻き込まれている様子。なにがなんだか詳細がわからないまま事態は思わぬ方向に進んでいく、というストーリー。ドキュメンタリーのようなリアル感があるドラマです。
主演のアンドレ・ホランドは「ムーンライト」「パッシング」でも実にいい演技を見せています。すごく色気のある俳優さんで、注目しています。
まとめ
いかがでしたか?
観てみたい!と思える作品が1つでもあればうれしいです。