「これからの人生」と「老い」について考えさせられた本

人生と老いについて考える

今回は「オリーブ・キタリッジの生活」の原作本とその続編を読んで、「これからの人生」と「老い」について考えた話をします。

目次

「オリビア・キタリッジの生活」とその続編

Olive Kitteridge
ピューリッツァー文学賞受賞作です
あらすじ

メイン州クロスビーという港町に住むオリーブ・キタリッジ。中年から老年へと向かう彼女の後半生を軸に、彼女の回りにいる人たちの群像劇を描く短編集。ピューリッツァー文学賞受賞作。

淡々とした日常の一コマを切り抜いて、人間の心の中を見事に言葉にする作家エリザベス・ストラウト。読みながら、そして聴きながら、自分をオリーブに重ねることもあれば、オリーブの言動にあきれることもありました。オリーブは、決して付き合いやすい、扱いやすい女性ではありません。でも「人生って、年をとるって、そういうものかもね」と妙に穏やかな気持ちにさせてくれます。

この2冊では、未知の言葉、知らない言葉にたくさん出会いました。一度調べただけでは覚えられない単語も多かったです。きっとこの2冊はこれから繰り返し読んだり聴いたりすると思うので、またそのときに意味を調べればいいや!と思っています。

先にTVシリーズ(全4話)を観てから読むことをオススメします

この洋書は、TVシリーズを観てから読むことをオススメします。かなり原作に忠実に、すご〜くいい感じで映像化されていますから、観てからのほうがスーッと物語に入っていけるはず。

Olive Kitteridge
オリビア役のフランシス・マクドーマンドがいい!

あらためてポスターをみると “There’s no such thing as a simple life.”(シンプルな人生なんてものはない)と書いてありますね。まったくその通り!という気持ちになります。

エリザベス・ストラウトの最新刊が出ました!

“Tell Me Everything”というミステリーが発売されました。オリーブ・キタリッジや、前の2作に出てきた人々が登場するらしく、興味津々です。読むぞ〜!

「海が走るエンドロール」

これからの人生、つまり「老後について考える」という意味でいえば、私が去年から読んでいるのが「海が走るエンドロール」(たらちねジョン)という漫画です。まだ完結していないので、次はいつ出る?と楽しみにしています。

海が走るエンドロール
あらすじ

65歳を過ぎ夫と死別し、数十年ぶりに映画館を訪れたうみ子。そこには、人生を変える衝撃的な出来事が待っていた。海(カイ)という映像専攻の美大生に出会い、うみ子は気づく。自分は「映画が撮りたい側」の人間なのだと……。心を騒ぎ立てる波に誘われ、65歳、映画の海へとダイブする!!(アマゾンより引用)

私自身は映画を撮る側になりたいと思ったことはありませんが、自分の情熱に正直に前に進むうみ子を応援しています。やはり行動する人には「頑張れ〜!」とエールを送りたくなりますね。

以前、ご紹介した映画「ナイアド〜その決意は海を越える〜」も、64歳にして世界記録を達成したマラソンスイマーが主人公。私は今54歳なので、10年後はどうなっているかな…と思いを馳せています。

「メタモルフォーゼの縁側」

もう1冊、最近読んでよかった漫画が「メタモルフォーゼの縁側」(鶴谷香央理:全5巻)。夫に先立たれた75歳の雪(ゆき)とBL漫画好きな女子高生うららの温かな心の交流を描いています。宮本信子と芦田愛菜の共演で映画化もされています。

メタモルフォーゼの縁側
あらすじ

ふと立ち寄った書店で老婦人が手にしたのは1冊のBLコミックス。75歳にしてBLを知った老婦人と書店員の女子高生が織りなすのは穏やかで優しい、しかし心がさざめく日々でした。

58歳差の二人が過ごした時間は交わした言葉よりも鮮やかで、心の奥に余韻を残します。どこまでも優しい物語。

75歳の主人公・雪は、自分の20年後を考えさせてくれました。雪も、「海が渡るエンドロール」の主人公うみ子も白髪です。白髪というのは「老い」の象徴ですよね。少なくとも私はそう思っていました。 

私が白髪染めをやめたのは2年前。それが老いを受け入れる準備のスタートだったかもしれません。白髪を染めていたころは顔周りにすぐに出てくる白髪が気になっていたけど、やめてからというもの、頭の後ろは白髪が少ないと気づいたりして。

視点が変わると、見えるものが変わります。

そして、自分でも驚くほどにストレスが減りました。白髪染めにかける時間とお金は相当なものですからね。染めた数日後には数ミリ出てくてしまう白髪にゲンナリすることもなくなったし。ピラティス仲間でも白髪をきれいにまとめている女性が多くて、励みになってます♡

10年後、20年後に思いを馳せるにしても、やはり体力と気力があればこそ。好きな映画やドラマを観て、好きな本を読み、ピラティスを続ける生活をしていればきっと大丈夫だ、と思っています。脳科学的にも「好奇心」は脳のビタミンですし、なんといっても英語は究極のアンチエイジングですから!

でも、娘2人が巣立っていったら、サンディエゴに暮らし続けるのか?日本に戻るのか?など、いろいろなことを考える日々です。

P.S.オーディオブックの紹介

次に聴くオーディオブックは、私のお気に入りシリーズ、フィンレイ・ドノバンの4作目”Finlay Donovan rolls the Dice”。このシリーズ、スリル満点だけどめちゃくちゃ笑えるんです!オーディオブックのナレーター(朗読者)が素晴らしいからかもしれません。聴いてると、ハラハラしたり手に汗にぎったりしてしまいます!

Finlay Donovan rolls the Dice

日本語訳も2作目まで出ていました!「サスペンス作家が人をうまく殺すには」「サスペンス作家が殺人を邪魔するには」という邦題になっています。

サスペンス作家が人をうまく殺すには

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

Happy learning!

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