観てよかった映画〜2025年8月〜

2025年8月に観てよかった映画2本をご紹介します。どちらも、人間の弱さと強さをじんわり感じさせてくれる映画でした。
Juror #2「陪審員2番」

製作年:2024年(米)
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ジョナサン・エイブラムス
出演:ニコラス・ホルト/トニ・コレット/J.K. シモンズ/キーファー・サザーランド
ジャンル:法定スリラー
あらすじ:ジャーナリストでアルコール依存からの回復を目指すジャスティン・ケンプ(ホルト)。殺人事件の陪審員に選ばれるが、この事件が自分の過去の“ひき逃げ”とつながっている可能性に気づき、正義と自己保身の間で揺れ動く。
クリント・イーストウッド監督は94歳!すごいですね。
正義とは?倫理とは?を考えさせる、一筋縄ではいかない骨太な作品です。
映画ポスターのタイトル下に書いてある文章が、この映画の本質を突いています。
Justice is blind. Guilt sees everything.
短い英文ですが、少し意味を掘り下げてみましょう。
「Justice is blind」の意味
- 直訳:正義は盲目である。
- 本来の意味:
正義(=司法)は、人種・性別・身分・財産などに左右されず、偏見なく公平に判断しなければならない、という考え方を表します。 - 法廷には「目隠しをした女神(Lady Justice)」の像がよくあります。このポスターの背後にも、よく見ると女神が写っていますよね?これはまさに「blindfolded(目隠しされた)=公平・無偏見」を象徴しています。
しかし「本来は公平であるべきなのに、実際にはそうなっていない」「見て見ぬふりをしている」といった、批判や皮肉を込めて使われる場合もあります。
“Justice is blind. Guilt sees everything.”
は、まさにこの“二重の意味”を使ったもの。
- Justice is blind → 正義は公平である(はずだ)。
- Guilt sees everything → でも罪悪感はごまかせない、全部見えている。
つまり、制度としての正義は盲目でも、自分の良心・罪悪感はごまかせない という深いメッセージなのです。
たしかに主人公ジャスティンの罪悪感に苛まれる様子がすっごくリアルでした!
この映画を観ようと思った個人的な理由
私がこの映画を観ようと思ったのは、ジャスティンを演じるホルト(下の写真右)と、検事を演じるトニ・コレット(下の写真左)が、2002年の映画「アバウト・ア・ボーイ」で母と息子を演じていたからです。

ニコラス・ホルト、22年前の「アバウト・ア・ボーイ」では、まだあどけない少年でした。これが彼の映画デビュー作なんですね。


ロンドンに住む独身貴族のウィル(ヒュー・グラント)は、父親の作ったクリスマスソングの印税で働かずに暮らすお気楽な男。恋愛も「シングルマザー狙いの気軽なお付き合い」で済ませてきた。
そんな彼の前に現れたのが、いじめられっ子の少年マーカス(ニコラス・ホルト)。精神的に不安定な母フィオナ(トニ・コレット)を抱え、孤独を背負ったマーカスとウィルの間に、奇妙な友情と家族のような絆が芽生えていく。ウィルはマーカスを通して初めて「誰かを大切に思うこと」を学び、マーカスはウィルに支えられながら自分の居場所を見つけていく。

個人的には、ニコラス・ホルトの左眉のてっぺんが好きです♡
そしてトニ・コレットも常に注目している女優さん!
Sideways「サイドウェイズ」
2本めの映画は2004年の「サイドウェイズ」。観るのは4度目ぐらいですが、やはりいい映画でした!40歳を越えてから観ることをオススメします。若い人には分からない深い味わいがありますから!


製作年:2004年(米)
監督:アレクサンダー・ペイン
脚本:アレクサンダー・ペイン&ジム・テイラー
出演:ポール・ジアマッティ/トーマス・ヘイデン・チャーチ/ヴァージニア・マドセン/サンドラ・オー
ジャンル:コメディドラマ
アカデミー賞などの受賞・ノミネート歴:第77回アカデミー賞脚色賞受賞、作品賞・監督賞ほかノミネート多数
あらすじ:小説家志望のマイルズ(ジアマッティ)と、結婚を控えた俳優ジャックが、カリフォルニアのワインカントリーを旅する。酔いと恋と挫折を経て、人生の意味を問い直す物語。
ポール・ジアマッティ演じる主人公のマイルズは、サンディエゴで英語の教師をやっていますが、本当は小説家志望。最初の小説が出版されるかどうかの瀬戸際にいます。2年前の離婚から立ち直っていないマイルズは、ワインには詳しいけど女性に関してはからっきしダメな不器用男です。





日本版のリメイクもありました。英語のセリフの字幕翻訳をやりましたよ!
主演ポール・ジアマッティは、2023年の『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのクリスマス』でペイン監督と再びタッグを組みました。この映画でも“不器用でダメ男だけど心優しい人”を好演しており、どんどん俳優としての厚みが増しています。


まとめ
2025年8月に観て、おすすめできる映画を2本ご紹介しました。
ぜひあなたもチャンスがあったら観てくださいね!

