【映画で英語】「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」で学ぶ英語フレーズ

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

南カリフォルニアからこんにちは!

脳科学Englishトレーナーのしおはま なおこです。

今回は2008年の映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」をご紹介します。

『グレート・ギャツビー』などの長編で知られるアメリカの小説家F.S.フィッツジェラルドが、1922年に発表した短編が原案。80才の姿で産まれ、だんだん若返っていく男の人生を描いたドラマです。主演はブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット。

時について、老いることについて、人生について、深く考えさせられる映画です。

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

目次

あらすじ

80歳の老人として生まれ、次第に若返っていった男の数奇な半生の物語です。

ただし普通の人間と逆行しているのは外側だけ。知能、思考力などの中身は、ふつうの人と同じように成長します。赤ん坊として産まれ、少年、青年、壮年になり、だんだん年老いていくのです。

ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)は1918年、ニューオリンズで産まれました。産むと同時に母は死に、父は呪われた赤ん坊として、彼を老人養護施設の玄関に捨てます。赤ん坊を見つけたのは、黒人の介護士であるクイニー(タラジ・P・ヘンソン)でした。彼女は、その赤ん坊をベンジャミンと名づけ、自分の子どもとして育てることを決めます。

お母さんとベンジャミン
外見が老人でもベンジャミンを愛する母親クイニー

12歳になったベンジャミンは、施設の入居者の孫娘であるデイジーと出会います。6歳のデイジーは、老いた子どもであるベンジャミンに親しみを感じました。やがて、ベンジャミンは船で働きはじめます。女と酒の味を覚えた彼はボタン工場のオーナーと知り合いますが、その男はベンジャミンの父親でした。捨てたくせに、ベンジャミンのその後が気になって彼に接近したのです。

18才となった1936年、施設から独立したベンジャミンはソ連のムルマンスクで初めての恋を知り(この恋については後ほど説明します)、第二次世界大戦の戦火もくぐり抜けます。戦争が終わった1945年、施設に戻ったベンジャミンは、成長してバレエダンサーとなったデイジー(ケイト・ブランシェット)に再会します。ベンジャミンはデイジーに思いを寄せますが、彼女はバレエに夢中でした。そんなデイジーが交通事故に遭い、ダンサー生命を絶たれたとき、二人は結ばれます。

ベンジャミンとデイジー
愛し合う時間が重なってよかったよね、と思ってしまいます

やがて、デイジーは娘を出産。父から受け継いだボタン工場を売ったベンジャミンは、デイジーと娘に財産を残して放浪の旅に出ます。長い旅から帰ってきた時、デイジーには夫がいました。ベンジャミンが本当の父親であることは、娘にはずっと隠したままで…。

外見はどんどん若返り、見た目は少年ながら内側は老人になり果てたベンジャミン。彼を最期まで見守ったのは、夫を亡くしたデイジーでした。赤ん坊の姿でデイジーの腕に抱かれながら、ベンジャミンは息を引き取るのでした。

覚えておきたい!英語フレーズ

戦争が終わってニューオーリンズに戻ったベンジャミン。デイジーには定期的に手紙を送っていました。イギリス外交官の妻との恋も知っていたデイジーが、彼女とはどうなったの?とベンジャミンにききます。

ベンジャミンはこう答えます。

It ran its course.

自然消滅したよ

run its courseというフレーズは、主語にあたるものが「その本来のコースをたどる」、つまり、それが自然の流れのままに進む、という意味です。

「恋愛関係が自然消滅する」という表現を、英語ではこう言えるのか〜!と記憶に刻みました。ベンジャミンがデイジーに語る場面ごと、しっかり覚えています。

ベンジャミン、最初の恋の相手

ムルマンスクの同じホテルに滞在していたイギリス外交官の妻エリザベスとベンジャミン。眠れない二人は、真夜中のロビーで少しずつ言葉を交わすようになります。

ざっくりと計算したところ、当時ベンジャミンの外見は57才、中身は23才です。

エリザベスは18才のとき、イギリス海峡を遠泳するチャレンジをします。あと2マイルでゴール、というときにあきらめたことを彼女は今でも後悔しているから、いつか再チャレンジする、とベンジャミンに語るんですね。

そして数年たったあるとき、デイジーと一緒にいたベンジャミンはTVの画面で彼女を見かけます。イギリス海峡の遠泳を達成したエリザベスが映っていました。

エリザベスを演じるのはティルダ・スウィントン。1992年の映画「オルランド」が印象的でしたね。

この映画の原作は二〇世紀イギリス文学を代表する女流作家ヴァージニア・ウルフの長編小説。男性から女性に不思議な変身を遂げたエリザベス朝の貴族オルランドの四百年にわたる時空を越えた旅の物語。

orlando オルランド

この映画の主軸はベンジャミンとデイジーの話。でも今回観たときに感じたのは、ベンジャミンとエリザベスの、孤独な魂が寄り添ってお互いをいつくしむような関係の輝きと儚さ(はかなさ)でした。

奇想天外なストーリーだけど味わい深い映画

原作の短編では、父親はベンジャミンを捨てません。「年老いた身体で産まれて若返っていく」という奇想天外な設定から、大きく想像の翼を広げて作られた脚本がすばらしいと思います。

全体的にセピア色で、おとぎ話のような雰囲気です。ふつうの人とは違うベンジャミンの、どこか達観したようなたたずまい。ベンジャミンと関わりと持つ人々は、個性的で味があります。

きっと次に観るときは、違うセリフが心に刺さるんだろうな、と思います。楽しみ♪

作品情報

原題:A Curious Case of Benjamin Button

製作年:2008年

映画の長さ:167分

ジャンル:ドラマ

監督:デビッド・フィンチャー

脚本:エリック・ロス

主演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン、タラジ・P・ヘンソン

アカデミー賞受賞歴:第81回アカデミー賞で作品賞を含む13部門にノミネート。美術賞、視覚効果賞、メイクアップ賞の3部門受賞。

原作本:F・スコット・フィッツジェラルド

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まとめ

今回は映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」をご紹介しました。

なおこ

名作は決して色褪せることがありません。
Great movies never get old.

run its course(ことの自然な流れのまま進む)というフレーズも、ぜひ覚えてくださいね。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

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