感動が止まらない!映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」

モリコーネ 映画が恋した音楽家

サンディエゴからこんにちは!

脳科学Englishトレーナーのしおはま なおこです。

今回は映画音楽の巨匠モリコーネのドキュメンタリー映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」をご紹介します。

目次

音楽が頭から離れない映画体験

あなたには、思い出すときに、まずそのテーマソングが蘇ってくる映画がありますか?

私の場合はイタリア映画「ニュー・シネマ・パラダイス」です。日本公開は1989年。当時大学1年だった私は、ミニシアターの先駆けだった銀座のシネスイッチで観ました。

シチリアの小さな村を舞台に映写技師と少年の心あたたまる交流を、あふれる映画愛とともに描いた不朽の名作。映画監督として成功をおさめたサルバトーレのもとに、老いたアルフレードの死の知らせが届く。彼の脳裏に、「トト」と呼ばれた少年時代や多くの時間を過ごした「パラダイス座」、映写技師アルフレードとの友情がよみがえってくる…

映画.comより引用

幼いトトが映写技師アルフレードを手伝う姿。二人でのどかに自転車に乗る場面。アルフレードがトトに残したのは、キスシーンばかりを集めてつないだフィルム。老年にさしかかるトトがそれを見て涙するラストシーン。帰りの電車でも、美しくも胸を打つ音楽が頭から離れませんでした。もちろんすぐにサウンドトラックを買いましたヨ。

映像と音楽が合体すると1+1が100になる。そう感じた映画です。

映画音楽の巨匠・モリコーネの波乱万丈の人生

そんな映画音楽を作り続けたのがエンニオ・モリコーネ。2020年に91才で亡くなった彼の人生をつづったドキュメンタリー映画が「モリコーネ 映画が恋した音楽家」。監督は「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレです。

映画は、モリコーネが毎日の習慣にしているストレッチと体操の場面から始まります。仕事机で譜面に音符を書き込む姿には、音楽に向き合う彼の真摯な姿勢が凝縮されています。

メガネの奥のまなざしが、いつも真剣!
©2021 Piano b produzioni, gaga, potemkino, terras

モリコーネが音楽を担当した映画とTV作品はなんと500本以上。このドキュメンタリーの中で、すごい数の映画とその音楽ができるまでの裏話が語られるので、片っ端からその作品を見たくなります。

すでに見たことがある映画でも、あらためて音楽に耳を澄ませながら楽しみたい、モリコーネの感性や想像力に思いを馳せながら鑑賞したい、と思わせてくれます。

2007年にアカデミー賞®名誉賞を受賞
©2021 Piano b produzioni, gaga, potemkino, terras

セルジオ・レオーネ監督と小学校の同級生だった!

私はクリント・イーストウッドのファンなので、彼が若い頃に出演していた「荒野の用心棒」(1964年、原題:A Fistful of Dollars)の話にワクワクしました。この作品は、セルジオ・レオーネ監督が黒澤明監督の傑作時代劇「用心棒」を西部劇としてリメイクしたマカロニ・ウェスタンの名作。口笛を使ったモリコーネの印象的な音楽は一世を風靡しました。セルジオ・レオーネはエンニオと小学校で同級生だったんですって。びっくりですよね!

左がセルジオ・レオーネ監督、右がエンニオ・モリコーネ
©2021 Piano b produzioni, gaga, potemkino, terras

音楽があふれだす様子に感動が止まらない!

©2021 Piano b produzioni, gaga, potemkino, terras
左がエンニオ・モリコーネ、右がジュゼッペ・トルナトーレ監督

インタビュー場面では、鮮やかな朱色のニットシャツを着て、青いビロードのソファに座って、身振り手振りたっぷり、そして、表情豊かに話をするモリコーネ。思い出を語りながら思わず涙ぐんだり、しみじみと微笑んだり。

それを作曲したときは…と説明するときに、すぐ口から「タララ〜♪タララ〜♪」みたいにメロディがこぼれてくるんですよ。それがすごく印象的でした。

彼の音楽なくしてはここまでの映画にならなかった、と思えるような心に残るメロディ。脚本を読んで映画の雰囲気や場面を想像しながら作曲する、というのはとてつもなく「imagination 想像力」と「creativity 創造力」を必要としますよね。もちろん監督や他のスタッフたちと相談しつつ手直ししていくのでしょうが、もうあっぱれ!の一言です。

出てくる顔ぶれがすごい!

公式サイトにもありますが、「名前を見ただけで息をのむ70人以上の著名人のインタビュー」なんです。代表的な顔ぶれを何人か紹介します!

映画監督

  • ベルナルド・ベルトルッチ「ラスト・エンペラー」
  • クエンティン・タランティーノ「ヘイトフル・エイト」「ジャンゴ 繋がれざる者」
  • クリント・イーストウッド「許されざる者」
  • セルジオ・レオーネ「荒野の用心棒」
  • テレンス・マリック「天国の日々」
  • ダリオ・アルジェント「サスペリア」

モリコーネを敬愛するアーティスト

  • ブルース・スプリングスティーン
  • クインシー・ジョーンズ

おわりに

157分という長さを感じさせない、濃密な映画。イタリア映画から始まって、アメリカ映画の現代史を観ているようでした。

公式サイトの文章を引用させてください。

今も、そしてこれからも、モリコーネのメロディを聴くだけで、あの日、あの映画に胸が高鳴り涙した瞬間が蘇る。同じ時代を生きた私たちの人生を豊かに彩ってくれたマエストロに感謝を捧げる、愛と幸福に満ちた音楽ドキュメンタリー。

実際、この映画をみているだけで、胸が高鳴って涙した瞬間が蘇りました。

「モリコーネ 映画が恋した音楽家」、ぜひみてください。心からオススメします。

【作品情報】

原題:Ennio

製作年:2021年

映画の長さ:157分

ジャンル:ドキュメンタリー

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ

「モリコーネ 映画が恋した音楽家」公式サイト

P.S.この映画は8割以上がイタリア語。日本語字幕がなかったので英語字幕でみたのですが、日本語字幕でみたかったな〜と思いました。2重のフィルターがかかってしまって、脳が疲れちゃうんですよね。

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