限りある時間の使い方を考えさせてくれた映画「パーフェクト・デイズ」

映画「パーフェクト・デイズ」

ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の映画「パーフェクト・デイズ」を観て、心に残った場面についてお話します。

役所広司さんは、この映画で、2024年カンヌ映画祭の主演男優賞を受賞しました。

パーフェクトデイズ
カンヌ映画祭マーク入り
実に静かな映画。セリフが少ない分、木々、光と影が多くを語ります。

あらすじ

東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、静かに淡々とした日々を生きていた。同じ時間に目覚め、同じように支度をし、同じように働いた。その毎日は同じことの繰り返しに見えるかもしれないが、同じ日は1日としてなく、男は毎日を新しい日として生きていた。その生き方は美しくすらあった。男は木々を愛していた。木々がつくる木漏れ日に目を細めた。そんな男の日々に思いがけない出来事がおきる。それが男の過去を小さく揺らした。

公式サイトより)

目次

私の心に残った、古本屋の場面

主人公平山の仕事は渋谷の公衆トイレの清掃。仕事に向かうミニバンでは、カセットで好きな音楽を聴く。夜寝る前には、眠くなるまで文庫本を読む。毎日、同じことの繰り返しです。

平山は寝る前に必ず本を読みます。この映画の中に出てくるのはウィリアム・フォークナーの「野生の棕櫚」、幸田文の「木」、パトリシア・ハイスミスの「11の物語」。彼の部屋の低い本棚には、古本屋で買ったであろう文庫本が並んでいます。

平山が休日に古書店を訪れ、パトリシア・ハイスミスの短編集「11の物語」(原題:Eleven)を手に取る場面があります。

本を読みながら代金を支払う平山。そんな彼に対して、女主人がこう言います。

「パトリシア・ハイスミスは不安を描く天才だと思うわ。恐怖と不安が別のものだって彼女から教わったの。」

古本屋の女主人

古本屋の女主人は、店番をしながらいつも本を読んでいると思われます。あまり客も多くなさそうな古本屋だから好きなだけ本を読めそう。かなりうらやましいわ〜(笑)。

そして会計時に、短くもハッとさせるような言葉を投げかけるのです。ここで古本買いたい!彼女のコメントが聞きたい!と思いました。

「11の物語」のあらすじがよくわかるブログ記事

パトリシア・ハイスミスについての記事

この映画で、限りある時間の使い方を考えさせられた

本を読む パーフェクトデイズ
寝る前に本を読む平山

この映画を観たあとに強く感じたのが「SNSで限りある貴重な時間を溶かしたくない」ということ。

もっと文学を読みたい。古典から現代のものまで、むさぼり読みたい。2024年の年末に観たこともあり、2025年からはSNSで浪費する時間を読書にあてよう、と決めました。

あなたはどうですか?ひょっとしたら私と同じように「スマホを見る時間を減らすこと」を新年の抱負に掲げた方もいるのではないでしょうか?

今読んでいる本

私は先週から、水村美苗著「大使とその妻」を読んでいます。「本格小説」を読んでから、私は水村氏のファン。軽井沢を舞台にした物語ですが、目の前に情景が浮かぶような文章を心ゆくまで味わっています。

大使とその妻

非日常に没入する時間があると、すごく充実感を感じます。

今年はスマホとSNSは最低限にして、物語を心ゆくまで味わうつもりです。

今年は、というよりも、残りの人生は、と言ったほうが正しいですね。

時間は有限です。

時間の使い方を選ぶのは、あなた自身。

自分にとって有意義な時間をお過ごしください。

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