今回は日常英会話でネイティブがよく使うけれど、日本人学習者にはあまり馴染みのない「take」を使った表現を5つご紹介します。
基本動詞「take」は様々なフレーズで使われますが、今回はそのまま訳すと意味がわかりにくいものを5つ選びました。映画やドラマのシーンを通して、自然な使い方を学んでいきましょう!
英語学習を長年続けていても、教科書には載っていない表現に出会うと「これって何だろう?」と思うことありませんか?文法的に理解できても、実際の使い方やニュアンスがつかめない…。特に、日本語にぴったり合う訳がない表現は覚えにくいですよね。
今回紹介するのはまさにそんな英語表現なのですが、安心してください!この記事を読めば、これらの表現がすーっと頭に入ってくるはずです。
記事の最後に、ネイティブが本当によく使う自然な英語フレーズを覚えるとっておきの方法をお伝えします。ぜひ最後までお付き合いください。
表現 ① : take you up on your offer
意味の説明
「take you up on your offer」は、「お言葉に甘えて」という意味で使われます。直訳すると「あなたの申し出を取り上げる」となりますが、実際には「ありがたく申し出を受ける」というニュアンスです。
ドラマシーンの紹介:その1
1960年代のNY、広告業界を舞台にしたTVドラマ「マッドメン」のシーン(シーズン1の第7話)を見てみましょう。

秘書からコピーライターになろうとしているペギーが、以前「コピーを書いたら、見てアドバイスするよ」と言ってくれていたピート・キャンベルのところにやってきます。
I thought I’d take you up on your offer to look at my work.
お言葉に甘えて私のコピーを見ていただこうと思って
このように、offerのあとにtoをつけて、どんな申し出だったかを伝える使い方もあります。
ドラマシーンの紹介:その2
もう1つ例をあげましょう。
アメリカのベストセラー小説 “Little Fires Everywhere” がドラマになったものです。

以前、家の炊事洗濯を手伝ってもらえたらお金を払う、と言われたことに対してのセリフです。
I’d like to take you up on it. To help you in your household.
家事の手伝いをするという申し出をうけるわ。
if the offer still stands.
そのオファーがまだ有効であればだけど。
相手が好意で申し出てくれた、という点は同じですが、ここでは「お言葉に甘えて」というニュアンスではなく、「申し出を承諾する」というかんじです。相手がその申し出を忘れているときに備えて「if the offer still stands.」というのも一緒に覚えておくといいでしょう。
日常生活での使用例
例えば、子供の世話で疲れているときに友達がこんなことを言ってくれたとします。
I can babysit your kids for a few hours. 子どもたち、数時間みててあげるわよ。
もちろんお言葉に甘えますよね!だからこう言います。
Really? I’ll take you up on your offer. Thank you.
ほんとに?じゃあ、お言葉に甘えるわ。ありがとう。
子どもが小さいころは、30分でも1時間でも自分だけの時間が持てることが何よりありがたいものです。私の場合、5歳と1歳の娘をつれてのサンディエゴ移住だったので、最初の数年間は友達にこう言ってもらえると、とてもうれしかったのを憶えています。
表現 ② : it takes a toll
意味の説明
「it takes a toll」は、「じわじわとつらくなる」「悪影響が出る」「負担がかかる」という意味です。何か良くないことを続けた結果、体や心に悪影響が現れることを表します。
ドラマシーンの紹介

Netflix オリジナルドラマ「デッド・トゥ・ミー 〜さようならの裏に〜」のシーン(シーズン2の第1話)を見てみましょう。
ジェンとジュディが車の中で会話しているシーンです。ジェンは人を殺してしまい、そのことで動揺しています。
I just– I was suggesting going to the police because I know how hard it is to hide something. It takes a toll.
警察にいこう、と言ったのは、何かを隠すのがどんなに苦しいことか知ってるからなのよ。どんどんつらくなるわ。
ジュディ自身も秘密を抱えていた経験があるので、その精神的な負担の大きさを理解しているのです。
日常生活での使用例
例えば、長年の習慣による肌への影響について:
Years of sunbathing took a toll on Amy’s skin.
長年の日焼けで、エイミーの肌はボロボロになった。
コロナ禍の外出制限についても:
The stay-at-home order takes a toll, doesn’t it?
外出禁止令はストレスたまりますよね。
最後の例文は、付加疑問文になっています。付加疑問文は、相手との会話をはずませる、親近感を持ってもらえる英語表現。下の記事でくわしく説明していますので、ぜひご覧さい。

表現 ③ : It takes courage
意味の説明
「It takes courage to〜」は、「〜するには勇気が必要だ」という意味で使われます。何かを達成するために必要な資質や条件を表現する「It takes〜」というパターンの一つです。
映画シーンの紹介

映画「グリーンブック」では、1962年に黒人のピアニスト、ドクター・シャーリーが人種差別の厳しい南部でコンサートツアーを行うというストーリーが描かれています。
ある場面で、ドクター・シャーリーのトリオのメンバーであるオレグが、なぜドクターがあえて差別が厳しい南部でツアーをするのかを運転手のトニーに説明します:
Because genius is not enough. It takes courage to change people’s hearts.
才能あふれる天才演奏家というだけでは足りない。人間の心を変えるには勇気が必要なんだ。
これは、非常にグッとくるセリフなので、私の頭にも心にも深く刻まれています。
日常生活での使用例
「It takes〜」のパターンにはいくつかの有名な表現があります。代表的な2つをご紹介しますね。
「It takes a village.」- 「みんなの協力が必要だ」
元々は「It takes a village to raise a child.」(子どもを育てるには村中の力が必要だ)というアフリカのことわざからきています。
「It takes two to tango.」- 「タンゴを踊るには二人必要だ」
争いごとがあったときに「どちらにも責任がある」という意味で使われます。
「あなたの協力が必要」という意味で使われる場合もありますが、ほとんどの場合は、喧嘩や誰かを責めるときに使われるフレーズです。
このように「It takes〜」は、何かを達成するために必要な要素を表現する便利なフレーズです。
表現 ④ : take the edge off
意味の説明
「take the edge off」は、「緊張や不安を和らげる」「気持ちを落ち着かせる」という意味で使われます。ストレスや不安、痛みなどの鋭い部分(edge)を取り除く(take off)というイメージです。
ドラマシーンの紹介

Netflixドラマ「マインドハンター」のシーズン1第10話では、FBI捜査官のホールデンと彼の恋人デビーの関係がぎくしゃくしています。ホールデンが空港から戻ってきたとき、デビーは玄関前でワインを飲んでいました。
ホールデンは彼女の様子から何か問題があると感じ、彼女の行動を分析し始めます:
When I got here, you offered a sip of your wine, which could be construed as welcoming, but even though you knew I was coming from the airport, you didn’t bring an extra glass, and half the bottle is gone. Which means you’re trying to take the edge off so that you can… Break up with me?
僕がここに着いたときワインを飲むかときいたね、それは歓迎してるとも受け取れる。でもぼくが空港からくることを知ってたのにもかかわらず、ぼくの分のグラスは出してない。ワインは半分なくなってる。イライラした気持ちをしずめようとしてるってことだ。そうすれば僕に別れ話ができるから?
デビーが別れを切り出す前の緊張を和らげるためにワインを飲んでいることを、優秀なプロファイラーであるホールデンがはからずも見抜いてしまう、というわけです。
日常生活での使用例
I need a drink to take the edge off after that stressful meeting.
あのストレスの多い会議のあと、一杯飲んで緊張をほぐす必要がある。
She takes painkillers to take the edge off her chronic back pain.
彼女は慢性的な腰痛の痛みを和らげるために鎮痛剤を飲んでいる。
A good laugh can really take the edge off a tense situation.
良い笑いは緊張した状況を本当に和らげることができる。
「edge」は「鋭い部分」「刃」という意味で、それを取り除くことで状況が柔らかくなるというイメージです。
表現 ⑤ : How do you take it?
意味の説明
「How do you take it?」は、「(コーヒーや紅茶を)どのように飲みますか?」という意味です。ミルクや砂糖を入れるかどうかを尋ねる表現で、日本語では「コーヒーはブラックがいいですか?」などと言いますが、英語では「take」を使います。
お酒をどうやって飲むか(たいていはウィスキーなど)、をたずねるときに使うこともあります。
映画シーンの紹介

2003年の映画「白いカラス(Human Stain)」の中で、主人公のコールマン・シルクが図書館で出会ったスティーナという女性を自分の寮の部屋に招き、コーヒーをすすめるシーンがあります。
コールマンはこう訊きます。
How do you take it?
コーヒーはどうやって飲む?
これは「コーヒーにミルクや砂糖を入れますか?」という意味です。

日常生活での使用例
この質問に対する答え方としては:
- ミルクがほしい場合:「I’ll take milk.」または「Milk, please.」
- 砂糖がほしい場合:「I’ll take sugar.」または「Sugar, please.」
- ブラックで飲みたい場合:「I’ll take it black.」または「Just black, please.」
「ほしい」という日本語にひきずられて「want」が浮かんでしまうかもしれませんが、ここでは「take」を使うのが自然なのです。
日本語でも「あぐらをかく」「傘をさす」など特定の動作に決まった動詞を使うように、英語でもコーヒーの飲み方については「take」を使うのが自然だ、と憶えておいてください。
自然な英語フレーズを覚える とっておきの方法
では最後に、ネイティブが本当によく使う自然な英語フレーズを覚える、とっておきの方法をお伝えします。
なんだと思いますか?

それは、洋書を読むことです。映画やドラマを英語のまま楽しむためには、ボキャブラリーを増やすこと、特に基本動詞のフレーズを覚えることが役に立ちます。でも毎日映画やドラマを見る人はあまりいませんから、洋書を1日15分読むことをおすすめしています。
私の場合は、毎朝洋書を15分から30分、オーディオブックを聴いています。ききとれない、わからない言葉が出てきたらキンドルでハイライトしてキンドルについている辞書で意味を調べてもいいし、私はお気に入りの天才英単語で、意味や用法、類語などを調べるのが好きです。
これを習慣にして毎日続けると、じわじわと自然な英語表現が自分のものになります。
洋書は、ネイティブがネイティブのために書いた本ですから、まさに自然な英語なんですね。1日たった15分でいいので、読んでみてください。そこからあなたの新しい英語の世界が広がっていくはずです!
私のお気に入り「天才英単語」の使い方と、オーディオブックの活用術は、下の記事でくわしく解説していますので、ぜひご覧ください。


まとめ
今回は基本動詞「take」を使った5つの表現を学びました
- take you up on your offer(お言葉に甘えて)
- it takes a toll(じわじわつらくなる)
- It takes courage(勇気が必要だ)
- take the edge off(緊張を和らげる)
- How do you take it?(コーヒーはどう飲みますか?)
どれもフレーズをかたまりで覚えるのがポイントです。
長くて覚えにくい動詞を新たに覚えようとするよりも、すでに知っている基本動詞がどのようなフレーズで使われるかを学ぶ方が、実際の会話で使える表現が増えます。
例えば「eliminate stress(ストレスを取り除く)」という表現よりも「take the edge off(緊張を和らげる)」の方がネイティブっぽくて、日常会話でよく使われます。
日本語をそのまま英語にできないことはよくありますが、こうした表現を一つずつ増やしていくことで、より自然な英語が使いこなせるようになります。
今回学んだ表現を、ぜひ使ってみてください!
Happy learning!
基本動詞 put のフレーズを紹介した記事
