映画を英語のまま楽しむための7ステップ

英語のまま映画を楽しむ7ステップ

サンディエゴからこんにちは!

脳科学Englishトレーナーのしおはまなおこです。

映画で英語を学べたらいいな、と思ったことはありますか?字幕なしで映画を楽しむのが夢だ、という方もいるかもしれませんね。

「映画で生きた英語を学びたい」と思うのは自然なこと。決して間違っていません。

しかし、映画は正真正銘の生きた英語ゆえに注意すべきポイントがあります。あなたのマジメな性格が災いすることもあります。

映画で英語を勉強するのでなく、映画を英語のまま楽しむための7ステップをお伝えします。

目次

ステップ1:映画はハードルが高いと認識する

Free seats movie theater photo“/ CC0 1.0

映画はエンターテイメント。観客を楽しませるための娯楽です。

映画は、その集中状態が効果的に継続するように作られています。どうしたら観客の心をつかむことができるか、飽きられないストーリー展開にするか、その道のプロたちによって作られているからです。

つまり、英語学習者向けには作られていません

自然な英語なだけに、話すスピードもまさにナチュラルで情け容赦ありません。世間話どころか、医療用語・法律用語などの専門的な言葉がバンバンでてくることもあります。

知っている言葉でも、あまりにスピードが早くて聞き取れないこともあるでしょう。さらには、文化背景がわからないと理解できないような言い回しやジョークも出てきます。

正真正銘の生きた英語であるだけに、最初はとてもハードルが高いと感じるかもしれません。すべて理解できないのは当然なのです。

まず、映画の英語はハードルが非常に高いこと。理解できないからといって、あなたの英語力が足りない、というわけではないことを覚えておいてください。

ステップ2:いきなり字幕ゼロにしない

映画を観るときに、いきなり字幕ゼロにする方がいらっしゃいます。チャレンジ精神旺盛なのはいいですが、これはムチャというもの。

まずは日本語字幕か日本語吹き替えで観て、面白いと思ったら次に英語字幕を出して観ましょう。

自転車だって最初は補助あり自転車で練習しましたよね?ムリにハードルを上げて挫折するよりも、使えるものは使うというスタンスが大切です。

私の成功体験と挫折体験

私自身の、映画館での成功体験と挫折体験をお話しましょう。

2009年にサンディエゴに移住後、娘たちが幼かったころは子ども向けの映画を見に行きました。映画館では字幕がありません。つまり、字幕ゼロですが、子ども向けの作品は聞きとりやすいし、むずかしい言葉もでてきません。私が観たい映画というわけではなく親として付き添っているだけだし、よく寝落ちしてました。

はじめて字幕なしで楽しめた、記念すべき映画です!

しかし、忘れもしない2014年の元旦。家族で「アナと雪の女王」(原題:Frozen)を映画館で観たとき、字幕がないことも忘れて思い切り楽しめたんですよ!映画館を出てから「字幕なしで全部理解できた!」と気づいたときはめちゃくちゃうれしくて、すごく自信になりました。

字幕なしでは半分も理解できませんでした

その半年後の秋。映画館でクリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」を観たときは打ちのめされました。半分も理解できなかったのです。リスニング力もボキャブラリーも足りてない自分にダメ出しする心の声【ダメダシーノ】が大暴れしそうな予感がしました。

でも、映画館の大きなスクリーンとすばらしい音響で映画を楽しめたのだからよし、と気持ちを切り替えました。

英語を学んでいる人は、マジメで謙虚で頑張り屋の人が多いです。英語に関しては、その長所が裏目に出やすい。自分が持っている英語力からは目をそむけて、足りない部分ばかりが気になってしまいます。しかも完璧主義だったりするから【ダメダシーノ】がすぐに顔を出します。

英語に向き合うときは、完璧主義はさっさと捨てて、前向きに開き直ることが大切です!

ダメダシーノの対処法

脚本(スクリプト)を手に入れる方法

1つ知っておいてほしいのが、英語字幕にはときどき間違いがあること。役者がしゃべっている言葉と英語字幕が違うこともありますが、あまり気にせずにいきましょう!

今はどの映画の脚本(スクリプト)も手に入る便利な時代。映画のタイトル(英語)に script と検索をかけると、いくつもの脚本サイトが見つかるはずです。その1つを紹介しますね。

The Internet Movie Script Database (IMSDb)https://imsdb.com

ステップ3:映画はとにかく楽しむ!

映画を英語字幕を出して観ても、わからない言葉だらけで先に進めない。途方にくれてしまう方もいるでしょう。

ステップ1で説明したとおり、映画は英語学習者向けに作られていません。英語教材として使うには、むずかしすぎる場合が多いのです。

だから、映画は純粋に楽しんでください。

英語の勉強のために映画をみると、映画が急につまらなく感じませんか?

だから、映画は純粋に楽しんでください(しつこい!)。

好きな俳優が出ている、友人が面白いといっていた、気晴らしがしたい、元気をもらいたい、などなど、映画を観る理由はいろいろ。でも観ている間は、映画の世界にどっぷり没入しましょう。

英語学習はその次にくるもの。すごく気に入って何度でも観たい、と思える映画を英語字幕で観ましょう。その英語字幕も「半分ぐらい理解できたら上々」という気持ちで向き合うとラクです。

映画は純粋なるエンタメとして楽しんでください。

ステップ4:ボキャブラリ不足を自覚する

映画を英語字幕で観て、まずあなたが感じるのはボキャブラリー不足でしょう。私もそうでした。

映画のジャンルは多岐にわたります。使われている言葉も実にバラエティ豊か。だから、意味が理解できる言葉をふやすことこそが、映画を楽しむためのカギです。

英語を学んで40年以上、字幕翻訳者として10年、サンディエゴに暮らして15年以上の私が感じるのは「英語のキモはボキャブラリー」だということ。ボキャブラリーを制すものが英語を制す、といっても過言ではありません。

年を重ねてくると、自分の記憶力に自信がもてない、固有名詞が出てこない…、ということもあるでしょう。

でも「もう年だから…」と言い訳して覚えることをやめてしまったら、脳は成長をやめてしまいます。認知機能の低下を招くだけでなく、考え方が固定し、脳の老化を促進してしまうのです。

「そんなのイヤだ〜!」と思う方は、このまま読みすすめてください。

英語の単語やフレーズを覚えて、それを思い出そうとすることは、非常に効果的な脳トレ=脳の活性化になります。私が思うに、英語学習は究極のアンチエイジングです。

ステップ5:「読む」ことに集中する

英語を学ぶにあたっては「読む・話す・聴く・書く」の4つをバランスよくできれば理想的。

でも、日本語でも読むのが得意な人、話すほうが得意な人がいるように、すべてをバランスよくこなすのはむずかしいです。

私のオススメは「読む」ことに集中すること。英会話もうまくなりたい、リスニング力も磨きたい、さらっと英語が書けるようになりたい、、とあれこれ手を出しても、結局なにも身につかないで終わった経験がありませんか?

マルチタスクは百害あって一利なし。注意力を散らすものがたくさんある今、あなたに必要なのは集中力です。

英語字幕で見て、自分には語彙が足りないと感じたら、まずは語彙を増やすことに集中しましょう。私のおすすめは洋書を1日15分読むことです。

英語の専門家が語る「読む」ことの大切さに

読むことの大切さは、英語の専門家が口を揃えて強調しています。

「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」の著者はこう言っています。

基本はとにかく「溢れるまで貯める」ことです。

(中略)

英語はとにかく、まず「読む」ことです。


「英語が出来ません」(刀祢館正明著)では、国際的に活躍したジャーナリスト千葉敦子さんの言葉を引用しています。

英語の上手な日本人を見てきづくのは、次の2点です。

一つは英語を読む量がズバ抜けて多いこと。読むことがおそらく語学の基本であり、量をこなすことによって言語に慣れていくのではないかと思います。語彙も読むことによって増えます。

(中略)

英語で大切なのは、英語を読むこと。そして自分の考えをしっかり持つこと。これにつきます。

私自身も「読む」ことの効果を実感している

英語を教える資格TESOLをとるための2014-2015年の2年間、私は英語漬けでした。その2年は、いやというほど英語の教科書、文献、資料を読みました。

その英語漬けを経たあと、自分の英語力の変化に自分で驚いちゃったんですね。

  • 読むスピードが格段に早くなった
  • 前より言いたいことがスッと口から出てくる
  • 相手が言っていることがすんなり理解できる
  • 英語のメールがササッと書ける

テストや課題がなくなった解放感もありましたが、2年間みっちり圧をかけて読みまくった成果を、それこそ全身で五感で感じました。なんといっても、英語で生活する不安がぐんと減りました。もちろん、不安はゼロにはなりません。でも「土台はできた。あとは磨くだけ」という気持ちになれたのです。

ステップ6:洋書を1日15分読む+聴く

窓際でコーヒー片手に読書

母国語以外の第2言語を身につけるためには,毎日の小さな積み重ね=習慣が欠かせません

習慣は、脳に負担をかけない一番カンタンで効果のある学習法です。毎日洋書を読まないと気持ち悪い!というレベルにもっていきましょう。

洋書を読みながらオーディオブックで朗読を聴くのも、実に効果的です。英語の発音やイントネーションに耳が慣れるし、つづりと発音が同時に学べます。

語彙がたまってくると、文字を追わなくても、オーディオブックを聴くだけで楽しめるようになります。老眼が始まって、文字を読むのがつらくなってきた私には、洋書を読むよりもオーディオブックを聴くほうがラクです。

オーディオブックの活用術はこちらの記事で。

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ステップ7:英語との出会いを増やし続ける

小さな積み重ね

人間は忘れる生き物です。でも洋書を読む毎日の習慣を続ければ、じわじわと (slowly but surely) ボキャブラリーは増えます。

忘れてもいい。英語との出会いを増やせばいいのです。

洋書を毎日読み続けていれば、同じ言葉やフレーズが何度も出てきます。何度も出くわせば、いやでも脳に刻まれます。

「ああ、また思い出せない」と嘆くよりも、「また読めばきっと出会える」と前向きに開き直りましょう。

体調をくずしたり、疲れがたまったりで、読めない日もあるでしょう。私の場合、1日休んでも2日は休まない、というルールで続けています。5分しか読めない日があってもいい。続けることが大事です。

毎日の習慣は、決してあなたを裏切りません。

海外の映画館で字幕なしで映画を観るとき、思った以上に理解できる自分を発見するでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

「勉強のため」と思いながら観る映画は、おもしろくありません。

映画はエンターテイメントとして楽しむ、と覚えておいてくださいね!

これからも、英語を楽しく味わうためのヒントをお届けしていきます!

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