サンディエゴからこんにちは!
脳科学Englishトレーナーのしおはま なおこです。
今回ご紹介する映画は “Wildflower”(2022)。知的障害のある両親をもつ女子高校生の葛藤を描いた青春映画です。
あらすじ
ネバダ州ラスベガス郊外が舞台。両親ともに知的障害者の子どもとして生まれたビーは高校生。周りからは「知恵遅れの両親をもつ、貧乏でかわいそうな子」と言われています。
自分がいないと両親は生活できないと思っているビーは、大学進学をどうするか悩みます。実話をもとにしているので、映画の最後に本物の家族の写真が出てきますよ〜!
意外と使うのがむずかしい英語フレーズ
ビーが意識不明になって病院に運ばれる場面から映画は始まります。病室で家族が言い合いになったとき、ビーの叔父さんがみんなをなだめるためにこう言います。
Now remember, just because Bea can’t hear us doesn’t mean she can’t feel us.
俺たちが話してることをビーが聴こえないからって、俺たちの存在を感じられないってことじゃないんだ。
A doesn’t mean B.
AだからってBってことじゃないんだ。
このフレーズは、AとBの部分がやや長めであることが多いです。「Aだからって必ずしもBとは限らない」と necesarily という副詞が間に入ることも多いです。例文を2つ紹介しますね。
<例文>
Just because he has a lot of money, it doesn’t necessarily mean he’s happy.
ただ単に金持ちだからって、彼が必ずしも幸せとは限らない。
Being fat doesn’t necessarily mean you are out of shape.
太っているからといって必ずしも運動不足とは限らない。
ずっと気になっていたけど紹介できていなかったフレーズなので、もし英語字幕で見つけたら意識してみてください。「意識する」というのはとても大切ですよ!
なおこの独り言
ビーの家族(上の写真)、ビーを取り巻く友達、一癖も二癖もあります。よくいえば個性的で、別の言い方をすれば変わってる(笑)!
でもね、みんな正直なんです。笑っちゃうぐらいウソがない。思ったままを言い過ぎてケンカになったり、大騒ぎになることがしょっちゅう。でも根底に愛があるんです。そこにグッときちゃうんですよ!
だれかが「両親が知的障害者でかわいそう」とビーを憐れんだとしても、ビーにはビーの幸せがある。ビーの両親だって、自分たちの人生をめいっぱい楽しんでいます。何が幸せかは、その人にしかわかりません。
物事を単眼でみないことの大切さを思い出させてくれました。自分と同じではないと認識しながらも、相手の心情に思いを馳せる能力を「エンパシー」といいますが、この映画をみたことで自分のエンパシーが少し高まったような気がします。
観たあとに、すごく前向きな気持ちになれる映画です!心からオススメ!
作品情報
原題:Wildflower
製作年:2022
映画の長さ:105分
ジャンル:家族コメディ・ドラマ
監督:マット・スムクラー
主演:キーナン・シプカ、リード・スコット、アレクサンドラ・ダダリオ
おまけ
主人公のビーを演じるキーナン・シプカは、1960年代のNY広告業界を描いた傑作ドラマ「マッドメン」(2007-2015)で、主人公ドン・ドレイパーの娘サリーを演じた女の子です。「マッドメン」のときからずいぶん成長しているけど、顔はあまり変わってないです。