『マテリアリスト 結婚の条件』が突きつける結婚の現実。でも私は夫と今日も割とうまくやっている

映画『マテリアリスト 結婚の条件』の劇中で語られる、「ある日突然、二人は互いを憎み始める…」という冷徹な結婚の現実。そのビターなセリフに、あなたは何を感じますか?結婚26年、再婚同士で労わり合いながら「今日も割とうまくやっている」私の視点を交えつつ、ダコタ・ジョンソンの魅力や、セリフから学ぶ大人の生きた英語をナビゲートします。
映画『マテリアリスト 結婚の条件』
まずは、あらすじと作品情報から。
主人公は、ニューヨークで富裕層を相手に成功を収めている高級結婚仲介人のルーシー。彼女は「完璧な条件」を持つ裕福な実業家のクライアントと、いまだに未練を残す「不完全な元恋人」との間で心が揺れ動くことになる。資本主義が加速するマンハッタンの競争の激しいデート市場を舞台に、人間関係の価値や愛の真実を皮肉とユーモアを交えて描いたロマンティック・コメディ・ドラマ。
製作年:2025年
監督・脚本:セリーヌ・ソン(Celine Song)
出演
- ダコタ・ジョンソン(ルーシー役)
- クリス・エヴァンス(ジョン役)
- ペドロ・パスカル(ハリー役)
注目の女性監督セリーヌ・ソン
本作は、映画『パスト ライブス/再会』でアカデミー賞にノミネートされ世界的な注目を集めたセリーヌ・ソン監督(下の写真の左)の長編第2作目。前作の切ないトーンとは打って変わり、今作は往年のハリウッドのスクリューボール・コメディ(男女がマシンガントークで知的な掛け合いを繰り広げるコメディ)の精神を現代風に落とし込んだ作品として制作されました。

女優ダコタ・ジョンソンの魅力
主演のダコタ・ジョンソンは、先月観た『Daddio(邦題「ドライブ・イン・マンハッタン」)』での演技がすごく印象に残っているんですよね。
タクシーの車内という密室でのショーン・ペンとのやりとり、実質2人しか登場しないのに、その濃密な空気感から目が離せませんでした。
彼女は役柄によって、モニカ・ベルッチのようなアンニュイな色気を見せたかと思えば、アン・ハザウェイのようなチャーミングな知性ものぞかせる、魅力的な女優。
彼女の母親は『ワーキング・ガール』のメラニー・グリフィス、父親は『マイアミ・バイス』のドン・ジョンソン。

祖母はヒッチコックのミューズであるティッピ・ヘドレン(「鳥」の主演:下のポスター参照)という、ハリウッドの歴史を詰め込んだような超サラブレッド!元義父のアントニオ・バンデラスも含め、まさに映画界のロイヤルファミリーです。

そんな華麗な血筋でありながら、親の七光りに頼らず、インディーズ系の尖った作品にも積極的に挑戦し、実力で確固たる地位を築いています。
結婚についての冷静な意見

そんなダコタの『マテリアリスト』での役どころは、ニューヨークの高級婚活マッチメーカー(結婚相談所の仲介人)、ルーシー。
共演には、ペドロ・パスカルやクリス・エヴァンスといった、これまた一癖も二癖もある実力派の豪華キャスト。 『Daddio(邦題「ドライブ・イン・マンハッタン」)』の密室劇とはガラリと変わり、ニューヨークを舞台に洗練された「大人の空気感」を魅せてくれています。
結婚についての事実をドライに語るルーシーのセリフがこれ:
One day, for no reason in particular, you two will start to hate each other. You’ll resent each other, you’ll take each other for granted. You’ll stop having sex, somehow manage to make a couple of kids.
And then you’ll get sick of each other, and one of you will cheat on the other. And then you’ll fight. At first, not in front of the kids, but then in front of the kids. And then you resent the kids for seeing you fight.
And then you file for divorce, and you fight about who owns what and who gets the kids when until it’s all over.
ある日ね、これといった理由もないのに、あなたたち二人はお互いを嫌いになり始めるの。憎み合って、相手の存在を当然のものだと思うようになる。セックスもしなくなって、どうにかこうにか子供を二人ほど作る。
それからお互いにうんざりして、どちらかが浮気をするの。そして喧嘩が始まる。最初は子供の前を避けていたのに、そのうち子供の前でも平気でやるようになる。今度は、喧嘩を見られたことで子供たちを逆恨みするの。
そして離婚を申請して、誰が何を所有するか、いつ誰が子供を引き取るかで泥沼の争いをして、すべてが破綻するまで続くのよ。
(なおこ抄訳)
このセリフを読んで、どう感じますか?
そもそも結婚なんてしないほうがいいんじゃない?と思う人もいるはず。
セリフで英語レッスン
このセリフの中から、3つの英語表現と例文をご紹介します♪
【1】resent
【意味】〜に憤慨する、〜を恨む、〜に腹を立てる
【例文】
She resented being treated like a child.
彼女は子供扱いされることに腹を立てていた。
【2】take ~ for granted
【意味】〜を当然のことと思う、〜のありがたみを忘れる
【例文】
It’s easy to take your health for granted until you get sick.
病気になるまでは、健康のありがたみを忘れがちである。
【3】file for divorce
【意味】離婚を申請する、離婚を申し立てる
【例文】
After years of separation, they finally decided to file for divorce.
何年もの別居を経て、彼らはついに離婚を申請することを決意した。
恋愛観・結婚観を考えさせてくれる映画

私と夫は結婚26年。お互いに再婚ということもあって、労わりあいながら意外とうまくやっていけていると思います😊
結婚している状態が長く続くと、確かにときめきやドキドキは減ります。でも、安定したどっしり感、揺るがなさが、結婚というものの尊さではないか?と思いますね。
いつも横で一緒に映画を観ている夫と出会わなかったら、私は娘を2人産むこともなかった。ずっと日本で、字幕翻訳をやっていたことでしょう。どっちがいい悪い、ということではなく、今、サンディエゴで彼と2人の娘と暮らしている自分が本当に幸せだ、と感じているのです。
自分の今の状態、結婚に対する考え方などを改めて考えさせてくれる映画でした。
おまけ
共演者についても少し触れておきますね。
クリス・エヴァンス(ジョン役)

彼の出演作で私が好きなのは『gifted/ギフテッド』。孤独な男と、天性の才能<ギフテッド>を持つ少女の絆を描く感動ハートフルドラマです。彼って、顔が整いすぎて逆に個性がない感じがしてしまうのは、私だけでしょうか?人の心をつかむには、ハンサムなだけじゃダメ。何かググッと強烈にアピールするものが必要な気がする。(あ、これ独り言ね)
ペドロ・パスカル(ハリー役)

彼を最初にみたのは『ゲーム・オブ・スローンズ』。彼が演じたオベリン・マーテルはかなり存在感ありましたね。この映画では(ネタバレになるので詳しくは書きませんが)、夜中のキッチンで、ルーシーに向かって膝を曲げる場面がカワイかったです。
ダコタ・ジョンソンとショーン・ペンが共演した『Daddio(邦題「ドライブ・イン・マンハッタン」)』のポスターものせておきます。

一読の価値あり!の記事
この映画について、鋭く切り込んでいる記事を見つけました。

この記事で特に「なるほど!」と思ったのがここ:
ベースとなるのは、恋愛や結婚のビジネスライクな側面。収入、身長、年齢、BMI、人種、政治的信条、喫煙、アルコール、ドラッグ、趣味、髪の毛があるかどうか。多くの要素が絡み合って、恋愛や結婚は結局、双方が合意し合う「契約」であるということを前提に話は進む。愛だけでは不十分。目に見えて測れる豊かさが必要であるということを、露悪的ではなく、苦く重たい現実として、様々なエピソードを通じて突きつける。
(太字は私)
さいごに
今回の記事はいかがでしたか?楽しんでいただけたでしょうか?
恋愛観・結婚観について興味がある方は、映画『マテリアリスト 結婚の条件』をぜひご覧ください。きっといろいろ考えさせられるはずです。
Thank you for reading!
