【洋書習慣】”unassuming”に2回出会って実感した、語彙が身につく瞬間

Breathing Lessons

洋書は何度も挑戦しては挫折した経験がある。単語を覚えても、次から次へと忘れていく気がする。そんな悩みを抱えている英語学習者の方は多いのではないでしょうか。

実は、語彙が身につく瞬間というのは、案外地味なものです。派手な暗記法や特別な勉強法がなくても、「あ、この単語、知ってる!」とふと気づく瞬間の積み重ねで、語彙は確実に増えていきます。

今回は、私が最近体験した、まさにそんな「知ってる単語との再会」のエピソードをシェアします。ある1つの単語に、性質の異なる2冊の洋書で偶然出会った話です。単語一つひとつが記憶に残っていくプロセスを、実体験を通してお伝えできればと思います。

目次

“unassuming” という言葉との最初の出会い

2025年の年末、初めて “unassuming” という形容詞に出会いました。“The Brilliant Life of Eudora Honeysett”を読んでいたときのことです。

eudora honeysett洋書と和書

【あらすじ】

85歳のユードラは、人生を自分の意思で終わらせようと計画している。しかし、隣に越してきた快活な少女ローズとの思いがけない交流をきっかけに、忘れていた過去の記憶や、人とのつながりの温かさを少しずつ取り戻していく。孤独だった老女が再び人生の喜びを見出していく、心温まる物語。


ユードラが、10歳のローズと近所に住む同年代のスタンレーと一緒に、あるレストランへ向かう場面です。

She has lost count of the number of times she has passed its unassuming red-canopied frontage, and yet, once inside, it is as if Eudora has been transported to the Mediterranean.

Lyons, Annie. The Brilliant Life of Eudora Honeysett: A Charming and Emotional Journey of Self-Discovery and Unlikely Friendships (p. 228). (Function). Kindle Edition.

和訳】
何度前を通り過ぎたか数えきれないほどの、赤いひさしの目立たない店構え。それなのに、一歩中に入ると、まるで地中海に来たかのような気分になる。


文字だけ見ると「推測できない?予測できない?」という意味かなと思ったけど、調べたら:

  • 自分をひけらかさない
  • 気取らない
  • 謙虚で落ち着いている
  • 目立つことに興味がない

とても好意的なニュアンスで使われることが多いと知って、「ステキな言葉だな」と思ったのです。

“unassuming” にふたたび出会う!

そして今朝、Anne Tylerの”Breathing Lessons”を聴いていたら、また出てきたんですよ!

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【あらすじ】

結婚26年目のマギーとアイラ夫婦は、友人の夫の葬儀に参列するため車で隣町へ向かう。その道中でマギーは、昔の恋人や息子の離婚など、過去の出来事に次々と首を突っ込んでいく。たった1日の出来事を通して、平凡だけれどかけがえのない夫婦の絆と人生の機微が描かれる、ピュリッツァー賞受賞作。


主人公マギーの視点で、小学校からの親友Serenaの夫が亡くなったお葬式のあと、参列者たちがSerenaの家に集まって食事や談話をしている場面です。

She glanced around and saw a semicircle of graying men and women, and there was something so worn down about them, so benign and unassuming, that she felt at that moment they were as close to her as family.
Tyler, Anne. Breathing Lessons (Pulitzer Prize Winner): A Novel (p. 87). (Function). Kindle Edition.

和訳】
見渡すと、白髪交じりの男女が半円形に並んでいるのが目に入った。彼らにはどこか疲れ果てた、それでいて穏やかで控えめな雰囲気があって、その瞬間マギーは、彼らが家族のように近しい存在だと感じた。


「お、unassumingが出てきた!意味知ってるぞ!」と思わずニヤリとしてしまったわけです。

面白いのは、1回目は建物の外観を、2回目は人を形容する言葉として使われていたこと。「控えめで目立たない」というコアの意味は同じ。対象が変わっても違和感なく馴染むんだなと、単語の懐の深さを感じました。

こうやって記憶は定着していくんだ、という実感と、自分の中で語彙が増えていく喜び。

だから洋書はやめられません。1語との再会が、こんなに嬉しいだなんて♪

たった1語です。でも、その1語が自分のものになったと思えるまでには、何度も辞書を引いたり、耳にしたり、読んだりを繰り返しています。

派手な進歩ではないけれど、こうやって少しずつ語彙は積み重なっていく。だから、今日覚えた単語がいつかどこかで「あ、これ知ってる」に変わる日が来ます。

洋書に挫折した経験があっても、大丈夫。完璧に読み通すことよりも、こうした小さな気づきを積み重ねることの方が、実は語彙力アップの近道なのかもしれません。

Thank you for reading! Happy learning!

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